【技術解説】Web PushとモバイルPush通知の違いと遅延が発生する根本原因
「サイトの通知をONにしたのに届かない」 「アプリの通知はすぐ来るのに、ブラウザの通知は遅い」
この違い、実は通信の仕組みそのものに原因があります。 多くのサービスが導入している「Webプッシュ通知」と、スマホアプリの「ネイティブプッシュ通知」。 似て非なるこの2つの技術的な違いを知ることで、なぜ**「アプリを入れるべき」**なのかが深く理解できます。
目次
1. Web Push(ブラウザ通知)の仕組み
Web Pushは、ChromeやSafariなどのブラウザを介して通知を受け取る技術です。
- ユーザーがブラウザを開いていなくても届く(ことになっている)。
- Service Workerという裏方のプログラムが動いて、サーバーからの通知をキャッチする。
2. モバイルPush(アプリ通知)の仕組み
一方、アプリ通知はOS(iOS/Android)のシステムそのものが通知を受け取ります。 AppleのAPNs、GoogleのFCMという専用の通知サーバーと、スマホが常時接続されています。
- アプリが起動していなくても確実に届く。
- OSレベルで最適化されているため、バッテリー消費も少なく、反応が高速。
3. 遅延と不達の根本原因は「Service Worker」
Web Pushの弱点は、**「ブラウザやOSに殺されやすい」**ことです。
スマホの省電力機能は強力です。 「最近使っていないブラウザの裏方プログラム(Service Worker)」は、バッテリー節約のために容赦なく停止させられます。
停止させられると、サーバーから通知が送られてきても受け取れません。 次にユーザーがブラウザを開いた時にまとめて届く、という「遅延」が発生するのはこのためです。
4. iPhone(iOS)におけるWeb Pushの壁
特にiPhoneでは、長らくWeb Pushが非対応でした(最近のiOSでようやく対応しましたが、制約が多いです)。
- ホーム画面にWebサイトを追加(PWA化)しないと通知が来ない。
- ユーザーが明示的に設定しないと動かない。
これに対し、アプリ通知はインストールして「許可」を押すだけで、OSが全力で通知を届けようとしてくれます。 信頼性が段違いなのです。
5. まとめ
Web Pushは「手軽さ」においては優秀ですが、「確実性・即時性」においてはアプリ通知に惨敗します。
「推しの配信開始」のような、1秒を争う情報にはWeb Pushは不向きです。 技術的な構造上、どうしてもアプリ通知(ネイティブアプリ)を使うべき理由がここにあります。